開館直前!最終局面を迎えた男木島図書館の「今」とは

ついに図書館オープン前日となりました。明日のお天気が大荒れになるのではとの予報が出ていることを受け、無事に皆さまと開館式を迎えられるかどうか心配な気持ちになりつつも、今が最後の正念場とばかりに身を奮い立たせてラストスパートに臨んでいます。

 

■薪ストーブ設置

一昨々日、槙塚鉄工所さん製の薪ストーブが男木島図書館にやって来ました。取り付けには製作者の槙塚さんと、以前からミニキッチンの施工等でお世話になっている一級建築士のカワニシさんがお越しくださいました。

お二人とも良い意味で気の張らない様相をされながらも、そつのない仕事っぷりや工夫の施しようはまさにエキスパートでした。ストーブの位置を階段下に決めると壁に穴を開けて煙突を通してと、こなれた手つきで作業は目を見張るスピードで進んでいきました。途中、屋外に突き出た煙突を空に向けて直角に固定するのに「これ使っても大丈夫ですか」と近くに落ちていた火箸を手に取られた槙塚さん。一体どうするんだろうと見ていると、おもむろにハンマーをカンカンと打ち鳴らして火箸をゆるやかなU字状に細工して、煙突のカーブにぴったりと沿う固定具につくり変えてしまったのです。在りものを使ってほしいものを自分たちの手でつくり出すというその発想には思わずシンパシーを感じてしまいました。

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施工が完了したところでその場にいた全員が見守る中、槙塚さんによって最初の火が入れられました。「このストーブは木に火が移ってあたたかくなるまで少し時間がかかるけど、その分熱も冷めにくくなってます。」火がパチパチと木に燃え移る様子を目にしながら、ストーブの使い方や仕組みを丁寧にレクチャーしてくださった槙塚さん。「この棒も手づくりで、これまで気に入って使ってたやつなんですが。火吹きできるようになってるので置いていきますね」と、ストーブの他にも小物を揃えてくださいました。館内が自然の温もりにやさしく包まれるようになったのはもちろん、たたずまいが何とも愛らしいこのストーブのおかげで男木島図書館の装いは一気にお洒落めいたものとなりました。これから冬の時期にはこのストーブを囲んで本を読んだり談笑したりするのが大きな楽しみとなりそうです。

 

■緑化屋根・庭づくり

小豆島のフラワーショップpensées(パンセ)さんプロデュースの屋根緑化と庭づくりもここ数日の間に着々と進められました。

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屋根の上では見た目だけでなく開花時期や根の張り方など、あらゆる面を考慮してこだわりを持って選び抜かれた多種類の植物が植え付けられました。その緑に混じって垣間見えるのは、改修当初のゴミ出し時から大事に取っておいた古茶碗や湯のみの姿。その理由を西脇さんは「雨が降った時に雨どいからポタポタ水が滴ると土に穴が開いしまって、その部分は根を張らなくなってしまうんです。お茶碗や湯のみが水受けになってくれると良いんだけど。ちょこんと置いてあったら可愛いしね」と笑顔で教えてくださいました。趣と実用性を兼ね備えたアイディアはさすがですね。

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館内にもかわいい多肉植物が吊るされました。本棚に本も少しずつ増えています

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庭には鉢植えに見立てた火鉢や土管に、春の息吹を感じさせるいちごなどが植えられて飾られました

 

■看板製作

漁師兼イラストレーターという異色の肩書きをもつ橋本さん。ほかにも男木島図書館では破壊王の称号をつかさどる彼ですが、開館を直前に控えた今、あらたに「看板屋」としての任務を遂行されています。

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木の素朴な質感を失わないために塗料を使わないで仕上げたいという橋本さん。切断工具のジグソーや研磨機のグラインダーなどを使用して地道に木材の角を削って、巧みにまあるく型どっていかれます。短い木片を連結させた縁は写真ではまだ角ばって見えますが、後でこちらもまあるくなるように磨いて、看板中央にはレーザーカッターを扱う業者さんに発注している木製のくり抜き文字をボンドで貼り付けするという心算をされているそう。完成した看板はミニキッチンの外壁に取り付ける予定ですので、どうぞお楽しみに。

 

■二階内装施工

これまで後回しになりがちだった二階スペースの内装が、ここへ来て一気に仕上げの時を迎えています。

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ずっとがら空きの状態になっていた開口部を塞ぐように窓をつくって入れてくださったのは、ボランティアでお越しくださった野口さん。「仕事でショーウィンドウをつくったりしているので、割とこういう作業は慣れてるんです」という頼もしいコメント通りに、男木島図書館でいうところの棟梁イナヅカさんに匹敵なさる精密さと手早さを披露してくださいました。

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一方で、掃除や打ち増しする床板の塗装を進めてくださったのはボランティアでお集まりくださった女性陣の皆さん。初対面同士ながら、「どちらから来られたんですか」「塗り方めっちゃ上手ですね!職人さんみたい〜(笑)」と作業中にも終始わいわいと楽しいお喋りや笑顔が絶えることなく、久々に男木島図書館の作業現場に華やかな雰囲気が漂いました。

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床板を打ち付ける作業を行ったのは昨日の日没後のこと。いつもの図書館メンバーが寸法計測チーム、床板切断チームに分かれての連携プレーで押し進めました。作業の流れとしては、「この大きさの板、頂戴ね」と二階にいる寸法計測チームから出されたお達しに、一階で工具片手に構える床板切断チームが応えてつくったものを二階に上げて、バチッとはまったところをどんどん打ち付けていくというもの。壁面に沿ってぐるりと囲むように板の間を設け、中央は寝転がったり座ったりしてくつろげるような畳の間としました。完成した空間を見ると「これはこれでアリちゃうかな」と腑に落ちた図書館メンバーでしたが、実はこの仕様、当初の予定では全面に畳を敷くはずが発注した枚数が絶対的に足りなかったことを受けて考え出した苦肉の策だったのです。もしかするとゆくゆく改良の余地があるかもしれませんが、当面はこの状態でいくことになるでしょう。

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最後に吹き抜けにしたところに落下防止のために手すりを取り付け、二階の内装はほぼほぼ終了。ここまで済んで時計を見た時には深夜0時を回っていました。周辺にんお住いの皆さまには作業音で多大なるご迷惑をおかけしたことをこの場を借りてお詫び申し上げるとともに、いつもあたたかく見守ってくださることへの感謝もお伝えしたい気持ちです。泣いても笑っても開館前に作業できるのはもう今日一日のみ。どうにも焦りがちですが、こういう時こそ気楽に落ち着いて、怪我等に気をつけながら取り組んでいきたいものです。もう一踏ん張り、頑張ってまいります!

2 thoughts on “開館直前!最終局面を迎えた男木島図書館の「今」とは

  • 素敵です。よいサービスと、よきユーザーの利用によって、ますます素敵な図書館にしてください。(隠れライブラリアンより)

    • 水谷さま、あたたかい応援のお言葉ありがとうございます。
      おかげさまでついに開館を迎えることができました。
      数々の本とともに、水谷さまのお越しをお待ちしておりますね。

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