闇夜の灯火 開館日前日の記録

この夜が明けるといよいよ図書館開館日当日を迎えます。午前4時現在、図書館の灯りはまだ煌煌として、隣にいる男木島図書館理事長・順子さんと「すごいね。ちゃんと図書館になったね」と語らいながらそれぞれパソコンと向き合っています。

 

これまで断続的にお送りしてきたリノベーションレポートですが、もしかすると今回が最後になるかも…?日付は変わってしまいましたが、今日一日における男木島図書館の劇的な変遷をまとめました。以下、写真多めでお送りいたします。

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am8:30 頑張って早起きしてきた図書館メンバーが集結して作業開始。これから雨が降ることを受けて、まだ設置できていなかった図書館正面一階の軒先に雨どいを取り付けました。ぱっと見くつろいでいるように見えるお二人ですが、実はかなり手元が作業しにくい状態で身体をよじらせて頑張ってくれています。

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am9:30 開館式にお越しくださった皆さまに感謝を込めたささやかな贈り物ができればということで、これまでに何度かボランティアにお越しくださったことのある香川県西部に位置する荘内半島にお住まいのパティシエール・ようこさんにお願いしていたお菓子づくりがスタート。「クッキーを作ってるんだけど、ちょうどバレンタインデーだからこのチョコレートも一緒につけれたら良いなと思って。」ナッツチョコレートを私に手渡しながら、笑顔でお話くださったようこさん。ほんのりビターでちょっぴり大人なそのお味がやみつきになりそうでした。彼女の他にも、男木島に昨秋オープンしたばかりのビストロ伊織さんにもお菓子を提供していただけるようにお願いしていますので、来館を予定されている皆さまはどうぞご期待ください!

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am10:30 館内に残っていた道具や資材を一度庭の方に移して、養生シートをはぐってざっと掃き掃除をしました。床を張り替えた状態でものが完全に無くなったのは改修作業を始めて以来、実は初めてのことでした。散り積もっていた木くずや壁から落ちた土が姿を消すと、気持ちまですっきりとしたように感じました。

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pm1 :00 高松12時発のフェリーで多数のボランティアさんが応援に駆けつけてくださいました。その中には、ここ三日ほど毎日お手伝いに来てくださっている白岩さん(左)と野口さん(右)もいらっしゃいました。「お昼ご飯は食べてきたんで、すぐに作業できます!」と、到着早々白木のままになっていた部分の塗装を進めてくださいました。図書館メンバーだけではどうにも手が回りきらないところもボランティアの皆さまのおかげでしっかりと形にすることができるので本当にありがたいです。

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pm3:00 遅めのお昼休憩を経て、本格的に掃除を開始しました。箒では取りきれないような細かな粉塵を払い落とすために各階フロア全面にブロアをかけた後、雑巾で床や壁、梁や柱などは水拭きし、すでに本棚に入れていた本は軽くはたくなどしてほこりを落としていきました。この頃にはすでに雨が降り出していたにもかかわらず、傘をさしながら外から窓を拭いてくださる方もいらっしゃったほど。そうして丁寧に磨かれた後の館内はふしぎと明るくなった印象でした。

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pm3:30 「仕事合間ですが、良かったらコーヒーをどうぞ。」長持のカウンターの向こうからやさしい笑顔を見せてくださったのは、香り高い手挽きコーヒー豆を扱われるWatermarkのくりはらしをりさん。ようこさんお手製のパウンドケーキも登場し、束の間のおやつタイムを堪能しました。甘い物とコーヒーの相性はどうしようもないほど抜群ですよね。開館式でもWatermarkさんの豆を使用した淹れたてコーヒーをご用意してお待ちしておりますよ〜。

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pm5:00 男木島発の最終便のフェリーが出航してすぐ、館内の拭き掃除がひと通り済んで雨が止んだタイミングを見計らって庭に置いたままにしていた道具や資材たちを保管場所まで移動させました。図書館メンバーと男木での宿泊組が動いていたところ、「最後の船でお手伝いさんがたくさん帰られただろうから、何か力になれることがあったらと思って」と、ONBA FACTORYの大島さんご夫妻も助っ人にお越しくださいました。

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庭の片付けが進む一方で、館内では先日提示させていただいたウィッシュリストをご覧になって寄贈していただいた本に贈り主の方のお名前とメッセージの書き込みを始めました。書き込みは恐れ多くも私が担当させていただいたのですが、一冊一冊手に取る度に寄贈者の方の想いを知ることができ、開館日を前にしてすでに胸がいっぱいとなってしまいました。

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お名前とメッセージを入れた寄贈本はこれからたくさんの方の目にふれていただけますようにとの願いを込めて、移動図書館オンバにまとめて収蔵させていただきました。本の寄贈はこれからもゆるやかに受付を行ってまいります。寄贈についてご不明点などございましたら、どうぞお気軽にお声がけくださいね。

(ちなみに壁面の本棚に入っている本は、兵庫県神戸市にお住まいの構成作家・三宅さんが分類ごとに並べ替えてくださいました。ありがとうございました!

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pm9:00 各々夜ご飯を済ませてから図書館に再集結し、松蔭さんによる展示の準備に一同取りかかり始めました。一階のギャラリースペースに作家さんのポートレートのパネルを並べて見せ方を最終確認される松蔭さん。作品を見つめるまなざしはどきっとしてしまうほど鋭く、真剣でいらっしゃいました。

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pm22:45 「よし、これで行こう!」と松蔭さんのゴーサインが出たのは間も無く23時を迎えようとしている頃でした。壁面へのパネルの設置では、開館日に合わせて台湾より来島してくださった男木島図書館の設計者・くもさん(右)も大活躍されました。一階に展示されたポートレートの下には、そこに写る作家さんの著書の中から男木島図書館理事長・順子さんがセレクトされた本が一冊並べられました。ここに置かれた本も貸し出しの対象にしようと考えていますので、展示を見て本に興味を持たれた方はぜひお読みになっていただけたら嬉しいです。

am1:00 「よし、完成!!」という松蔭さんの声が館内に響いたのは日付が変わって長針が一周した頃。二階の作品展示も終えて、開館日当日までにこなすべきミッションがすべて達成されました。長い長い一日が終わり、ひとまずほっと安堵のため息をつくことができました。朝7時集合を目標にして自由解散となった後、私はこの記事執筆に臨みました。

am4:00 そして現在になってようやくこの記事執筆も終わりを迎えようとしています。これで安心して眠れると思いきや、まだ紹介できていなかった人たちの頑張りがありました。それは看板屋・橋本さんと宮大工・山のカズマサくんの看板製作風景です。

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図書館からほど近くの場所で看板の仕上げを施すお二人。縁となる木の曲線の微調整をされる橋本さん(左)を、カズマサくん(右)は木工用ボンドが少しでも早く乾くようにドライヤーを当ててフォローします。「完成の見通しは立ってるんですか」という私からの質問には、「やばい、日の目が見れるっすよ」と答えてくれたカズマサくん。彼の発言はこの言葉の意味の通り、「この看板が世に知れ渡るものになりますよ」という強調だったのか、それとも「このまま朝陽を拝めるかもしれないっすよ」という比喩表現だったのか…。どちらにせよお身体に無理のない範囲で頑張っていただきたいものですね。

という訳で、開館式においでくださる皆さまはどうぞお気をつけてお越しくださいませ。皆さまとお会いできるのを楽しみにお待ちしております!

3 thoughts on “闇夜の灯火 開館日前日の記録

  • こんにちは。今年中にお訪ねしたいと思っています。

    寄贈できる本は、新しいものだけでしょうか?

    • やまさきさま、寄贈本についてのお問い合わせありがとうございます。
      必ずしも新しいものでなくても構いませんが、傷みの激しいものやシリーズ物で不揃いのものなどにつきましては受け取りかねる場合がございます。
      事前に「寄付・寄贈について」のページ(https://ogijima-library.or.jp/donating/)下部にございます問い合わせフォームよりメッセージいただけるとスムーズかと思います。
      どうぞよろしくお願いいたします。

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