来館者に学ぼう 男木島図書館の楽しみ方

 

道ばたを彩る紫陽花に、五月雨の季節の訪れが感じられるようになりました。紫陽花の花色は根をおろしている土壌の酸度で決まるそうですが、これって人にも似たようなところがあるなぁ、と。私自身、生まれ故郷である関西から男木島へ移り住み1年と少しばかりが経ちましたが、個性(カラー)に変化があったように感じるのです。簡潔に言うならば「好奇心旺盛で何かと動いていないと気が済まない元気のよい若者」から「基本のんびりと無理せず過ごしていたい精神年齢高めの若者」になったというところでしょうか。この前書きの結論はすなわち「男木島はとてもいいところだ」ということです。

 

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さて、今回は4月〜5月のまとめ記事を兼ねまして、男木島図書館で思い思いに過ごされる来館者の皆さまの様子をちょっぴりお伝えできればと思います。

 

■ 本の世界をじっくり堪能 傍にはおいしい珈琲を

 

さまざまなジャンルの本が所せましと並ぶ本棚を前に見せる反応は人それぞれ。ある人は「これ、ずっと欲しかった本だ!」と喜んで手に取ったり、またある人は「子どもの時めっちゃ好きやったやつ。懐かしいなぁ」と目を細めながら表紙を眺めたり。ご友人同士やカップルでいらした方は「この作家さんの本、面白いで」と互いにオススメ本を紹介しあったりされます。どの光景もほほえましいのですが、「ねぇ、これ読んで」とお父さんやお母さんに向かって両手で本をつき出すお子さんの姿には何者も敵いっこない気がします。

 

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本との向き合い方も人それぞれ。パラパラと流し読みだけしてすぐ本棚に戻す人もいれば、椅子にゆったりと腰掛けて1ページずつ味わうようにめくっていく人。ほかにも、貸出本の返却時に「この本の内容が気に入っちゃって。またいつでも読めるようにと、ついネットで同じものを購入しちゃいました」と笑顔で報告してくださる常連さんや、類まれな速読術で「もう読んだよ!今度はこれ借りていい…?」と次々に本を読破してしまう本好きの女の子など。中には、「会社の決まりで週に1度、読書感想文を提出しなくちゃいけなくて。愛媛から旅行ついで、この図書館目的で男木島まで来ちゃいました」というすてきなワケありお姉さんがいらっしゃることもありました。

本に目をやる人たちの表情や読了後の感想を見聞きしているとついつい中身が気になって、戻された本のページを後からこっそり開いてしまう私の行動には、きっと誰もが頷いてくださることでしょう。

 

そう言えば、こちらの公式ホームページではすっかり告知し忘れておりましたが、近ごろの男木島図書館ではドリンクをお楽しみいただけるようになりました。

 

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本と相性抜群の珈琲はハンドドリップで淹れています。暑くなってきたので最近では水出し珈琲のご用意もはじめました。どちらも手回しでていねいに焙煎されたwatermarkさんの珈琲豆を使用しており、香り高く深みのある味で人気です。

珈琲以外の現行メニューは、ほうじ茶、パイナップルジュースとなっています。館長・順子さんの気まぐれで不定期更新されていく予定ですので、今後のラインナップにぜひご注目くださいませ。

 

■ IT分野もお任せあれ なんちゃってコワーキング

 

日常会話でふと知らない言葉が出てきた時には辞書を引いて調べる人よりも「wikiったり」「ググったり」する人の方が圧倒的多数を占めるであろうこのご時世。ITの著しい台頭は男木島も例外なく、図書館でもパソコンを持ち込んで仕事に勤しむ人の姿が見られるようになっています。

 

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ちなみに、ここでひとつおさらいしておくと館長・順子さんの本業はウェブデザイナー。順子さんが「WordPress」というオープンソースのブログシステム活用を得意とされていることもあって、WordPressコミュニティのご友人さん方がよく図書館にお集まりになられています。

そうした背景があり、4月末に開催されたのが「第1回WordBench 男木島」というイベント。どうやら英語で提供されているシステムを日本語に翻訳するという内容だったようですが、機械音痴の私には詳細は語れそうにもありません…(笑)順子さんがまとめられたイベントレポートがございますので、詳しい内容が知りたい方は下記リンクよりご覧ください。

 

第1回 WordBench 男木島「Global WordPress Translation Day」のレポート

http://wordbench.org/2016/05/29/wordbench-ogijima-global-translation-day-report/

 

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男木島図書館では「WordBench 男木島」で、今後も継続的にWordPressコミュニティのイベントを開催予定です。その次なる目玉企画は、今年8月20日(土)〜21日(日)の1泊2日に行う男木島夏合宿!WordPressに関するセッションのほか、人情味溢れる民宿での宿泊や海辺でのBBQといった島ならではの体験を一度にお楽しみいただける贅沢な内容となっております。イベント詳細&参加申込みページは下記リンクからご確認いただけますので、ご興味のある方はぜひ。

 

WordBench 男木島 夏合宿 開催のご案内&参加申込みページ

https://wbogijima.doorkeeper.jp/events/43983

 

■ 本といっしょに気持ちが届く 図書館づくりのお手伝い

 

図書館においでくださる方の中には、直接手渡しで本をご恵贈くださる方もいらっしゃいます。郵送で本をお送りくださる方のお気持ちも大変うれしいのですが、顔をつき合わせてお話ができたりお持ちくださった本への想いを共有できたりする点、ありがたさがより一層身に沁みます。

 

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4月末には作家・早見和真さんが突然いらっしゃって、日本推理作家協会賞を受賞された著書「イノセント・デイズ」をご恵贈くださるというサプライズがありました。ミニギャラリーにて絶賛開催中の松蔭浩之氏による「著者近影」展でポートレイトが展示されている早見さん。ご自身の写真を目の前に少し照れ臭そうにされながらも、ご満悦いただけたようでした。お帰り間際に「こんな図書館が近くにあったら毎日通ってしまいます」とこぼされた時には思わず笑顔が咲きました。

 

 

お送りいただいた本の数が増えていく毎にこの場所が皆さまによって育まれていることを強く実感します。どんどん読みたい本ばかりが増えていきますが、図書館の成長のようにゆったりのんびり読み進めていけたらと思います。

寄贈本を頂戴した際には男木島図書館公式Instagramにて随時紹介させていただいておりますので、どうぞ併せてご覧くださいね。

 

 

まだまだ紹介したいエピソードはあるのですが、あんまりだらだらと書いて読み手の皆さんが苦労なさってもいけないので今回はこの辺りで筆をおこうかと思います。次にお目にかかるのはいつぞや分かりませんが、またそのうちに。

以上、図書係ミッキーがお伝えしました。

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