先日の台風では雨漏りや屋根から降ってきた土ぼこりでしっちゃかめっちゃかだった男木島図書館ですが、ここ数日でいつもの落ち着きを取り戻しました。
そんな台風が到来する直前の去る8月6日(日)、ギャラリーで個展「しましましま」を開催中のオビカカズミさんが繋いで下さったご縁で、音楽家・樽木栄一郎さんをお招きしてのギターライブを行いました。
島内外から集まって下さったお客さんは、子どもから大人まで全部で15名ほど。14時の開演に合わせてギターソロが静かに始まると、それまでにぎやかだった館内の空気は一変。樽木さんから生まれた音が全体をやさしく包むように広がり、まるで見えない魔法にかかったような不思議な一体感が生まれたのでした。
365日旅をするように全国各地さまざまな場所でライブをしているという樽木さん。ギターソロを終えると、「図書館でライブをするのは今回で5回目ですが、ちゃんと館長に許可を頂いてするのは初めてなんです(笑)」という驚きのMCで会場を沸かせてくれました。
というのも、樽木さんご本人曰く「僕はかなりのドMで、苦境に立たされるほど歌いたくなってしまう」性分なのだそうで、静まり返った図書館のほか移動中の電車内やスナック、異国の地などを渡り歩いてゲリラライブを数々こなして来られたのだといいます。次から次へと繰り出す奇想天外なエピソードとバリエーションに富んだ表現で奏でられる音楽に、魅了されるまでに時間はかかりませんでした。
身体の芯まで染み渡るようなあたたかさ、思わず身体が揺れてしまうような軽やかさ、はっと息をのむような鮮やかさ…。約1時間に及ぶライブで本当にさまざまな音を体感することができました。最後の一曲が終わった途端湧き出たアンコールに、「こんなちゃんとしたアンコール、なかなか頂けること無いですよ(笑)」と笑顔で応えてくれた樽木さん。終演後も最終便の船が出るまで談話したり本を手に取ったりしながら、彼を囲んで和やかな雰囲気の図書館でした。
ライブを聴き逃してしまったという方も、いま図書館に来て下さったらBGMで流れる樽木さんの音楽に触れていただけます。お盆期間でいつもより若干利用者さんの出入りは多めですが、どうぞくつろぎにいらして下さいね。