真夏の図書館大改修ダイジェスト〈前編〉

 

お盆が過ぎ、8月も折り返しを迎えた今日このごろ。男木島図書館の古民家改修作業もいよいよ大詰めに突入しています。…と言いたいところですが、実際のところはまだまだ先は長くなりそうな現状です(汗)前回の改修レポートから一ヶ月あまりの時が過ぎゆく間、「あれから図書館どうなってるの …?」と気にしてくださっていた皆さまに深くお詫び申し上げるとともに、いまここに空白の一ヶ月の全貌を「真夏の図書館大改修ダイジェスト」と題しまして、前編/後編の全2回にわたって夏の日差しにも負けぬアツさ全開でお知らせさせていただくことを誓います…!

平成27年8月20日 男木島図書館図書係代表 さいとうみき

      

         

多少おふざけが過ぎたところで(笑)本題の大改修ダイジェスト前編では、7月後半の様子を作業内容ごとにレポートさせていただきます。

 

■表の庭:粘土質の土の撤去

図書館完成後には人々の出入り口側となる表の庭。先月台風が通過した後、土の水はけが目立って悪い箇所がありました。その原因のひとつに、以前この土地に建っていた納屋が倒壊した時にいっしょに崩れ落ちた土壁や瓦を組むときに接着材の役割を果たしていた土が長い歳月の中で粘土質の土壌となり残ってしまっていることが考えられたので、スコップやツルハシを駆使して土の撤去を行いました。掘っても掘っても尽きることのない粘土質の土に「これだけあれば夏の自由工作やり放題っすね!」と、小学生時代を遠く振り返りながら汗を流す図書館メンバーもいたのでした。

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■2階①:和紙貼り完結

前回までの改修レポートでもお伝えしていた2階天井の和紙貼り作業。和紙の強度増と防虫効果のために柿渋で染め上げた和紙を、天井から室内に土が落ちてくるのを防ぐ目的で隙間のないようのり付けしていきます。設計士さんから「野地板はそのまま残しておりた方がかっこいいから、そこには和紙を貼らないように!」とのリクエストがあったので、野地板にはかぶらないように繊細な手つきが求められる作業ではありましたが、高松中央高校の女子生徒のみなさんや関東から観光で来られていたお姉さんなど頼れる女性陣のご活躍のおかげで仕上がり美しく完成させることができました。(自分の身長よりも高い位置での作業に「あぁ〜もうちょっと!」と背伸びをしながら懸命に頑張る彼女たちの姿を見て、身長167cmの拙者は同性ながらにときめいていたというのはここだけの余談です。)

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■2階②:アク止め塗り

天井が形になったところで、続いては壁作業にシフトしていきます。最終的には白漆喰で仕上げていきますが、その下準備としてアク止めを一面に塗り進めていきます。このアク止めを塗っていないと、仮に漆喰でキレイに仕上げをしても下地の土壁のアクが浮いてきて変色し、塗り直しを迫られることになってしまうのです。先月の台風以降雲ひとつない快晴(すなわち猛暑日)が続いたこともあり、のどの渇きに負けず劣らずの勢いでアク止めの乾きも抜群によかったです。瀬戸内海放送さんの取材手前、ふだんのドカタ仕事色が強い作業よりはもう少しライトで楽しそうなDIY風景を演出できたのではないかと思います(笑)

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■家屋西側①:屋根瓦下ろし

家の東側、軒が突き出ている部分を減築する準備として屋根瓦を下ろしていきました。このとき登場したのが、図書館的三種の神器と言っても過言でないほど偉大な力を発揮してくれた、ONBA FACTORYの大島さんから拝借した超ハイテク瓦下ろし機…!人力だけだと一度に運べる量が限られてしまい時間も手間もかかってしまうところを、これ一台あれば瓦をいっぱいつめたカゴを荷台に乗せてスイッチを(ポン!)と押すだけで地上まで簡単お届けが可能に。おかげさまで安全かつ迅速に作業を進めていくことができました。大島さん、そして炎天下の中勤しんで下さった男性陣のみなさま、本当にありがとうございました。

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■家屋西側②:屋根取り壊し

瓦をすべて下ろし終えたところで、瓦を葺くのに使っていた土と天板、野地板をガシガシ撤去していきました。これまで西側に窓がなかったため光が十分に差し込まず日中でも薄暗かった1階屋内に天から光が降り注ぎ、ぱあっと自然の明るさが心地よい開放的な空間に早変わりしたのでした。ゆくゆくは外壁も撤去し、内壁のあったライン一面に本棚が並ぶ予定です。どうぞお楽しみに…!

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■家屋東側:暗渠(あんきょ)用水路確保

前回の改修レポートで男性陣総出で掘り進めていた用水路を通す溝に砂利と配管を敷いて、未完成ながらに仮の用水路を確保しました。先述した表の庭の粘土質の土の撤去とこの用水路確保のW対処によって図書館の水はけが改善されていることを望みたいものです…。この部分は配管をきちんと本通しできたら土をかぶせて均(なら)し、表の庭と裏の庭をつなぐ屋外通路となる予定です。

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■図書館外:古材運搬

図書館を飛び出して、肩に木材をかついだ男性陣が男木の集落を縦横無尽にかけ回る…!現在リフォームを進めてらっしゃる民家にお住いの島民の方から「うちで出た古材、いるもんがあったら使っても構わんぞ〜」とうれしいお声がけをいただき、お言葉に甘えて柱や天井板など立派な古材をたくさん頂戴しに伺いました。運搬に際して、男木の集落で特徴的な入り組んだせまい路地ではもちろん車は使用できず、かろうじてテーラーという農業用の小型特殊自動車(別名:男木のリムジン)が一部使えるというぐらいだったので最終的にこのようなスタイルに落ち着いたのでした。「昔の人って本当にすごいなぁ」と痛感させられた出来事でした。

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「真夏の大改修ダイジェスト」前編はここまで。後編では8月前半の作業の様子をまとめてレポートさせていただきますのでお楽しみに〜!

 

 

 

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